「ジンズ」増収増益も“今の「ジンズ」をつぶすイノベーションがないと未来はない”

アイウエアブランド「ジンズ(JINS)」を手掛けるジンズホールディングスの2019年8月期の業績は、売上高が前期比12.8%増の618億円、営業利益が同22.9%増の74億円の増収増益で、6期ぶりに最高益を更新した。

191015_JINS_1.webpそのうち国内の眼鏡事業は店舗数が同30店舗増の379で、売上高は同6.9%増の481億円、営業利益は同16.1%増の72億円。海外の眼鏡事業は、店舗数は中国本土が144、台湾が28、香港が4、アメリカが5の合計181で、売上高は同53.8%増の110億円、営業利益が同409.0%増の3億円となった。

国内事業は、テレビCMを実施し年間約20万本を売り上げた2WAYアイウエア“ジンズ・スイッチ(JINS SWITCH)”(1万円と1万2000円)と1万2000円の“コンビ スリムエアフレーム(COMBI SLIM AIRFRAME)”など高価格帯商品が好調だったことから、一式単価が前期の7300円から7850円に増加し、年間販売本数は603万本と前期より1万本減少したものの全体を押し上げた。海外事業は、中国が20店舗出店して6店舗退店したほかは、台湾、香港、アメリカ共に店舗を拡大した。

記者会見で田中仁CEOは、「ビジネスの基盤が強固になり、継続的に成長している。先ごろ慶應義塾大学と共同で近視の進行を抑制する眼鏡の開発をスタートさせるなど、眼鏡を再定義しているところだ。この事業は『ジンズ』の存在意義を高め、ビジネスにもインパクトを与えると思う。今の『ジンズ』をつぶすようなイノベーションがないと未来はない。今後も“見る”の可能性を広げたい。『ジンズ』の将来性はかなり高いと勝手に思っている」などと話した。

20年8月期の売上高は同10.0%増の681億円、営業利益は同11.3%増の83億円を予想している。

アリババが提携するバーチャル・インフルエンサー、ヌーヌーリとは

中国最大のeコマース企業のアリババ(ALIBABA)は、同社が運営するECサイト「Tモール(Tmall)」の「ラグジュアリー・パビリオン(Luxury Pavilion)」のモデルとして、バーチャル・インフルエンサーのヌーヌーリ(Noonoouri)を起用した。同時に、コンテンツを充実させるためヌーヌーリの新しいモバイルゲームを立ち上げるなど、ユーザーとの更なる結びつきの強化を図っている。

190828_Noonoouri_2.webpインスタグラムで30万9千のフォロワーをもつヌーヌーリは、コンデナスト(CONDENAST)が出版する中国版「ヴォーグ(VOGUE)」とも契約しており、ブランド服を身に着け、高級ハンドバッグを持って毎週さまざまな都市へと旅行している。

「ラグジュアリー・パビリオン」およびヌーヌーリとコラボレーションを行った最初のブランドが、英国の「マルベリー(MULBERRY)」だ。「マルベリー(MULBERRY)」は、‟My Localキャンペーン”の一環として8月22~24日に東京でワークショップやライブミュージックの音楽イベントを開催し、それに合わせて21~27日には新作バッグ‟アイリス(Iris)”のプロモーション用ポップアップストアも設けていたが、今回のコラボレーションではヌーヌーリが東京に‟現れていた”のだ。

オンラインユーザーたちは、ヌーヌーリとゲームをすることもできる。彼女のアウトフィットをコーディネートしたり、道中からの手紙を読んだりすることでポイントを獲得する。プレーヤーたちはそのポイントを使ってお買物券や限定バッグ、そしてトップ賞のために用意された新作バッグ‟アイリス(Iris)”を手に入れることもできる。

「ラグジュアリー・パビリオン」のリリ・チェン(Lili Chen)=ゼネラルマネジャーは、「若年層のラグジュアリー商品購入者たちがそれぞれのスタイルをシェアしたり、表現したりしながらプレーできるこの双方向型ゲームの開発は、『Tモール』のプラットフォーム上での消費者たちとブランドのより強い結びつきに貢献するだろう」と語った。

ヌーヌーリが生み出されたのは2017年末で、作成者はドイツのミュンヘンをベースに活動するグラフィックデザイナー、ヨルグ・ツバー(Joerg Zuber)だ。ヌーヌーリは19年のプレ・スプリング・コレクションショーで「ディオール(DIOR)」のインスタグラムに登場したり、「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」の19年プレ・フォール・ルックブックにも登場。「ヴォーグ・ミー・チャイナ(VOGUE ME CHINA)」やブラジル版「グラムール(GLAMOUR)」の表紙も飾るなど、幅広いブランドのクリエイティブプロジェクトに参加している。

アリババは昨年10月にリシュモンと提携し、中国人の消費者たちに向けてユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)の小売商品を展開するため、ジョイントベンチャーを設立。「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」と「ミスターポーター(MR PORTER)」のために2つのモバイルアプリをローンチすることを発表した。また、「ネッタポルテ」と「ミスターポーター」は「ラグジュアリー・パビリオン」にも出店する予定だ。

「ラグジュアリー・パビリオン」は、過去12カ月の間に数々の有名ブランドの出店を獲得してきた。現在、「シャネル(CHANEL)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「バーバリー(BURBERRY)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を含む130以上のラグジュアリーブランドを提供している。

「Tモール」は来年3月までに、ラグジュアリーブランドの出店数を倍にしたいと語っている。

2020年春夏ミラノメンズ ド派手なネオンカラーで彩る80’sポップカルチャー

「ディースクエアード(DSQUARED²)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、1980年代のアメリカンポップカルチャーに着想を得た。舞台はニューヨークのアトリエ。モデルをシューティングしているカメラマンや、マッチョな男性をモデルに絵を描く画家の間を、ネオンカラーのカモフラージュ柄セットアップをまとったモデルが駆け抜けてゆく。当時活躍したアーティストたちにインスパイアされ、アイコンのテーパードデニムにはペンキを叩きつけたような加工を施した。キャンベルスープの缶詰やマリリン・モンローのイラストをパロディしたTシャツ、「ANDY」のロゴを配したスウェットなど、アンディ・ウォーホルのオマージュもたっぷりだ。
「80’s」「POP」「ART」といったグラフィティをのせたまばゆい蛍光ピンクやライムグリーンのアウターが、華やかな80’sスタイルを印象付ける。ステンカラーコートのポケットにはカラフルなシームテープを飾り、ベーシックなアイテムにもポップなアクセントが満載だ。オーバーサイズのシャツにワイドショーツ、「コンバース」風の厚底スニーカーを合わせるスタイルは、ヒップホップカルチャーを反映したもの。フィナーレに登場したデザイナーのディーン&ダン・ケイティンも、ネオンカモフラージュのジャケットにピンクのスリッポン姿でランウェイに登場した。

「モスキーノ(MOSCHINO)」のメンズが2020年春夏シーズン、ロンドンにやってきた。会場には、4ヵ月前のウィメンズ・コレクションで発表した、「マクドナルド」のフライドポテトをパロったiPhoneケース持参の若者が大集合。会場の後方から一生懸命に手を伸ばし、ショーの様子を携帯電話におさめようとしている。「モスキーノ」が、わずか半年で彼らのITブランドになったことを印象づけた。
20年春夏メンズも、パロディでいっぱいだ。一番驚いたのは、数々の有名ブランドのアイコンをパロった洋服の数々。たとえば、今シーズンのキーモチーフであるスマイルマークは、それぞれを90度傾け、2つの口をアルファベットのXを描くように重ねることで、“あの”ブランドのアイコンのように!!それを、14-15年秋冬ウィメンズを彷彿とさせるヒップホップスタイルに組み込んだ。さらに“あの”ブランドを思わせるオレンジには、「モスキーノ」のMなどをモノグラムに仕上げて、これまた別の“あの”ブランドのアイコンのように見せたモチーフを大胆に加え、ラグジュアリーとスポーツ、そしてユーモアを交差させる。あまりに有名なブランドへの挑発とも思えるスタイルが次々登場するせいか、見ているこちらが逆にドキドキしてしまう――。そんな洋服だ。

無駄にドキドキすることなく、純粋に楽しめるのは、序盤。スマイルマークに各国の国旗をのせたり、その国旗モチーフをハイブリッドしたりのアイテムが揃う。イタリア国旗を背中に、アメリカの星条旗を前身頃に、そして日の丸を袖に持つカーディガンは、見ているこちらまで笑わせてくれるハッピーなアイテムだ。

「カービィカフェ」が福岡・キャナルシティ博多に!カービィバーガーや星形パンケーキ、限定グッズも

人気ゲームシリーズ「星のカービィ」をテーマにした「カービィカフェ(KIRBY CAFÉ) 博多」が、2019年8月8日(木)から11月4日(月・祝)まで、福岡・キャナルシティ博多に期間限定オープンする。

YYk東京ソラマチでも9月23日(月)までオープンしている「カービィカフェ」が、福岡・博多に登場。「カービィカフェ 博多」では、2018年9月に開催されたカービィカフェ第1章から人気の「カービィのすいこみカプレーゼ」や「クラッコのシュワシュワソーダ とどめの一撃仕立て」などお馴染みのメニューをはじめ、博多限定メニュー、博多限定グッズも多数展開される。

「カービィカフェ 博多」は、東京で開催された第1章の、ウィスピーウッズのリンゴがたわわに実る森を散歩していたプププランドの名シェフ・コックカワサキがひらめいた新しいアイデアをもとに、カービィとワドルディを含めた3人が、再びカフェをオープンするというストーリーのもと展開。

博多限定フードとして提供されるのは、“ウィスピーウッズ”ココットの周りに鮮やかな野菜を盛り付けた「ウィスピーウッズのもりもりサラダプレート」や、“ワドルディ”を象ったチキンライスにとろとろ卵の布団をかけた「ワドルディのおひるねオムライス」など。

星形パンケーキにフレッシュなフルーツを添えた「ふわふわワープスターパンケーキ」といったデザートも限定バージョンで用意される。

一部のメニューには博多限定のスーベニアグッズがセットに。ピンク色の“カービィ”バンズが目を惹く「カービィバーガー&ミートパスタ温野菜のせ」にはプレートが、“カービィ”のラテアートを描いた「アートコレクション・オ・レ」にはマグカップが付いてくる。

キャナルシティ博多内の別会場では、カービィカフェ ザ・ストアも同時開催。Tシャツやマグカップ、iPhoneケースなど、博多限定グッズを含むカービィカフェのオリジナルグッズをはじめ、様々な「星のカービィ」グッズを購入することができる。

カービィカフェ 博多
開催期間:2019年8月8日(木)~11月4日(月・祝)
所在地:福岡県福岡市博多区住吉1-2-1 キャナルシティ博多ノースビルB1F
営業時間:11:00~23:00(22:00ラストオーダー)
TEL:8月8日(木)より開通
席数:40席

利用方法:WEBサイトからのみの予約制
※7月1日(月)より、8月8日(木)~8月29日(木)までの予約受付。
※以降の予約は7月2日(火)0時より、8月30日(金)以降の予約を1日ずつ開放。
※カフェ併設のグッズコーナーの利用もカフェの予約が必要。

英国と日本を行き来するファッションPRが実現した理想の働き方と暮らし方

オーストラリア出身で、PR会社CPR トウキョウ(CPR TOKYO)を率いるニコル・バグワナ(Nicole Bargwanna)代表は2017年12月、起業家ビザを取得して家族と共にイギリスに移住した。現在暮らすのは、ロンドン近郊のケント州にあるセブノークスという街。日本への留学を経て20年以上日本でキャリアを築いてきた彼女は、オフィスを構える東京を離れることに不安はなかっただろうか?移住を決めた理由から、イギリスと日本を行き来する現在の働き方やライフスタイルまでを聞いた。

17歳の時に地元のロータリークラブの留学制度を使って日本を訪れたのがきっかけで、東京の学習院女子高等科で1年間学びました。それまでフランス語を勉強していたのでフランスに行きたかったのですが、母から「こういう機会じゃないと行けない国に行ったら?」と言われたこともあり、日本を選びました。実は子どもの頃に住んでいた家の向かいが大阪のウール関連企業の社宅で、高校教師をしていた母は英語が得意でない駐在員の奥さんにボランティアで英会話のレッスンをしていたんです。なので日本人の気質を知っていたし、娘を日本に送り出す方が安心だったのかもしれないですね。それに当時、オーストラリアへの日本人観光客が増えていたにもかかわらず、日本語を話せる現地人は少なくて、将来的に生かせるだろういうこともありました。

190528_life.02.webpいいえ、まったく!でも日本では2カ月ごとにホストファミリーが代わるシステムで、途中からは英語を話せない家庭だったので、頑張って話すようにしていました。幸い、学校で私ともう1人の留学生のためのプライベートレッスンを受けることもでき、その間に基本的な日本語を習得しましたね。今のようにインターネットも普及していなかったので、オーストラリアにいる家族や友達とのコミュニケーションは、手紙のやりとりやクリスマスなど特別な日の国際電話くらい。日本で友達を作らないと本当に孤独になってしまうので、一生懸命でした。そして、1年間の滞在を終えて帰国し、オーストラリア国立大学でアジア学とアートキュレーションを専攻しました。在学中に1年間千葉大学に留学した後に卒業したのですが、“社会人”として日本で暮らしてみたいという気持ちがあり、日本に戻ってくることにしました。最初は2〜3年でオーストラリアに戻るつもりだったのですが、いろいろな機会に恵まれて、気づけば20年ほど日本で働いていましたね。

いいえ。最初は、オーストラリアの新聞に求人広告が出ていた岡山の企業に入社し、ホームページの翻訳などを担当していました。当時の岡山にはそんなに外国人も多くなかったので、かなり浮いていましたよ(笑)。それに学生時代からの知り合いは皆東京にいたので、上京することにしました。そこでまず勤めたのはテレビ番組の制作会社で、そのインターネット部門で日本に住む外国人向けのオンラインメディア制作に携わりました。その後縁があり、オーストラリアの大手インターネットサービス企業の東京支店設立に関わることに。マーケティング部署でファッション企業のクライアントと一緒にプロジェクトを行ったことがきっかけで、ファッション業界に興味を持つようになりました。そして、関わる方法を模索していた時、友人からの紹介で「キュー(Q)」のPRとバイヤーの仕事を始め、3年間キャリアを積みました。その後入社したリステアではインターナショナル・コミュニケーションズ・ディレクターとして、マーケティングやブランディング、イベント企画、海外とのコミュニケーションなどに携わり、バレンシアガ・ジャパンの立ち上げにも関わりました。2年半勤めた後に独立して、2009年にPR会社としてCPRトウキョウを立ち上げました。

設立当初は1人でしたが、今はスタッフを雇うようになり責任の大きさを感じています。ですが、自分の会社だから融通が利くというのはありますね。実際立ち上げてから2人の子どもを出産して育児しながら働いていますし、私はオーストラリア人なのでクリスマスなどのホリデーはしっかり取りたい。だからこそ、メリハリを大切にするようにしています。それに今はパソコンがあればどこででも仕事ができますからね。仕事において一番大事にしているのはヒューマン・リレーションシップ。クライアントに対しても、スタッフに対しても、そこがうまくいかないとダメだと思います。

もともとヨーロッパ圏に住んでみたいという気持ちはずっとありましたが、私自身は日本でしか社会人として働いたことがなく、これまでの経験を生かして新しい場所でチャレンジしてみたかったというのが大きいですね。でも年を取ればとるほど動くのは難しくなるし、夫(香港出身カナダ育ちのフォトグラファー)も東京での生活が長くなってきて「別の場所に行くのもいいんじゃない?」という話をしていて。手遅れになる前にと決心しました。妹家族がイギリスに住んでいるということにも後押しされましたね。そもそも移住を考え始めたのは2011年の東日本大震災の後だったのですが、実現するためには会社の状態が安定していることが絶対条件でした。東京のオフィスを閉めるつもりはありませんでしたから。そして、ちょうどイギリスのクライアントも増え、社内の新しいチーム体制が整ったのを機に、本格的に動き出しました。

そうですね。いざ申請となると、たくさんの書類をそろえないといけなかったですし、かなりの時間も要して大変でした。半年以上はかかりましたね。ただ、日本でもこれまでにビザ申請を何度もしていたので、普通の人よりは慣れていたと言えると思います(笑)。そして、いろんな方の協力もあって無事起業家ビザを取得し、2017年12月に移住しました。

もともとはロンドンを考えていましたが、実は妹家族がセブノークスに住んでいて、移住前に何度かトライアルで泊まりに行ったときに気に入ったんです。私にとっては、近くに家族がいるというのが理想的でしたね。それに実際、ロンドンブリッジ駅までは電車で約20分とアクセスも良くて。ロンドン市内に住んだら東京と変わらないような物件しか借りられませんが、セブノークスなら一軒家に住んで、自然に近いカントリーライフスタイルが送れるというのは非常に魅力的でした。自分が田舎で育ったので子どもにも小さいうちにそういう環境を味わってほしいと願っていましたし、せっかく移住するのであればクオリティー・オブ・ライフを上げたいという思いがありました。

全く後悔はないですね。ただ、生まれ育ったオーストラリアよりも長い年月を日本で過ごしてきたので、今でも日本のことは大好き。イギリスに住みながら日本に定期的に戻れるような働き方を実現したくて、3カ月に1回は1週間から10日間ほど日本に出張しています。もともと日常のプレス業務は基本的にスタッフに任せて、私は戦略やプランニングなどを担っているので、仕事内容に大きな変化はありません。変わったのは、東京のオフィスと毎日電話会議をすることくらいでしょうか。あと、週2~3回はクライアントとの打ち合わせなどでロンドンに行きます。自分が東京にいないということについては信頼できるスタッフがいるので心配していませんし、全員が海外在住経験のあるスタッフだから理解してくれている部分も多いと思います。

メリットは、より密なコミュニケーションで深い関係性が築けること。やはりすぐに現地でミーティングやブレインストーミングをできるのはクライアントにとっても安心感がありますし、日ごろから実際に会って話すことができる距離感というのが他社との違いになっていると思います。また、PRの枠を超えてもっと深い仕事をすることができて、商品開発などより早い段階から関わっていくことができます。実際、「スマイソン」ではPRだけでなく日本市場向けのコンサルティングも行っています。パソコンがあればどこでも仕事ができる時代なのでデメリットは特に思いつかないのですが、つらいと言えば日本時間の会議に合わせて朝早く起きることくらい。時差だけはどうにもできませんからね(笑)。

ファッションはもちろん一生大好きですが、年を取るにつれて自分の暮らす空間に対する興味が高くなってきて。そこで3年ほど前から日本に住むデザインエディターの友人と構想やリサーチを始め、移住するタイミングでCPRとは別にインテリアビジネスを手掛けるNiMiプロジェクツを立ち上げました。最初はオンラインストアだけから始めようと思っていたのですが、たまたま子どもが通っている学校の近くに築400年くらいの物件を見つけて。オフィススペースも必要でしたし、空間やロケーションをとても気に入ったので、オフィス兼ショップとして2018年9月にオープンしました。日本の職人さんや若いデザイナーを応援したいという思いもあり、まだあまり知られていないような日本のプロダクトだけを扱っています。

イギリスやヨーロッパのクライアントを増やしていきたいし、新たなチャレンジにもオープンな姿勢でいたいですね。具体的にはPRだけではなく、日本市場向けのコンサルティングやビジネスデベロップメントにも携わっていきたい。海外を拠点にしているからこそできることもたくさんあると思いますし、久しぶりにすごくワクワクしています。CPRとしての理想は、東京のスタッフも皆、日本と海外を行ったり来たりできるような真のインターナショナルな環境を作ること。個人的には、インテリアのお店も本格的に取り組んでいきます。会社としても、個人としても、可能性を探求していきたいですね。

伊「ヴォーグ」が60歳以上のシニアを大特集表紙は73歳の女優

伊「ヴォーグ(VOGUE)」10月号(10月5日発売)は“タイムレス イシュー”として、全編にわたり60歳以上の女性にフォーカスする。3パターンある表紙を飾ったのは73歳の米女優ローレン・ハットン(Lauren Hutton)。これまで「ヴォーグ」の表紙を飾った最年長は、2013年当時73歳4カ月だったティナ・ターナー(Tina Turner)だったが、ローレンは7カ月年上でその記録を塗り替えた。

171005vi1710-cover_1_no-code.webpエマニュエル・ファルネティ(Emanuele Farneti)伊「ヴォーグ」編集長は「年を重ねてもファッションは楽しめるのか?答えはイエスだ。すでに多くのランウエイショーや広告キャンペーンで証明されているが、若い世代が年を重ねることを楽しめるかとか、どの世代が購買力があるかというよりもわれわれは広義的に年齢もダイバーシティーの一つだと考えている。ジェンダー、民族、宗教と同じように、年齢もダイバーシティーに含まれている」と語る。

ローレンはこれまで米「ヴォーグ」の表紙を27回、米以外の「ヴォーグ」の表紙も13回務め上げたが、「今回が一番自分が『役に立てた』と感じた表紙。この年齢でも知的で魅力的、かつ笑顔を兼ね備えていることが証明できた。社会を変える可能性を秘めている表紙だと思うわ」と話した。

表紙を撮り下ろしたフォトグラファー、スティーブン・クライン(Steven Klein)は「雑誌の表紙は、写真が全てじゃない。時代を映す鏡として、チャレンジングでインスパイアにあふれたものであることが一番重要だ。“タイムレス イシュー”の表紙を撮りたかった一番の理由は、70歳以上の女性がどのように見えるかを新たに示したかったから。だからローレン・ハットンを表紙に撮り下ろすことができてとてもうれしかった。彼女は73歳だが今でもセクシー。しかも彼女は何も化粧はせず、年齢を受け入れている。この表紙には『年齢至上主義社会でも、あなたもセクシーな70歳になれる』というメッセージを込めた」と語る。

“タイムレス イシュー”では62歳のモデルで、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のパートナー、イマン(Iman)や1965年に初めて伊「ヴォーグ」の表紙モデルに選ばれ、現在74歳のベネデッタ・バルジニ(Benedetta Barzini)、天才起業家イーロン・マスク(Iron Musk)の母で69歳のモデル、メイ・マスク(Maye Musk)、史上初のトランスジェンダーモデルで現在66歳のトレーシー・ノーマン(Tracey Norman)などが登場する。

なおローレンは、トーマス・マイヤー(Tomas Maier)=クリエイティブ・ディレクターの就任15周年とブランド設立50周年を記念した「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の2017年春夏シーズンのショーにモデルとしてランウエイを歩き、来場者だけでなく、業界を驚かせた。

パルが伊バッグ「イアクッチ」の独占販売権を取得 大丸東京店に直営店をオープン

パルは2019年春夏シーズンからイタリア発バッグブランド「イアクッチ(IACUCCI)」の独占販売権を取得した。3月1日には公式ECサイトのパル クローゼットで取り扱いを開始。13日には初の直営店を大丸東京店にオープンし、14日からはゾゾタウン(ZOZOTOWN)でも展開する。

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「イアクッチ」は、1976年にパオロ(Paolo Iacucci)とナルー・イアクッチ(Nalu Iacucci)夫妻が立ち上げたファクトリーブランドで、これまでも日本ではエストネーション(ESTNATION)やトゥモローランド(TOMORROWLAND)をはじめとする主要なセレクトショップで取り扱われていた。素材調達から生産まで全てをイタリアで行っており、パオロがビジネスを、妻のナルーがデザインを手掛ける。現在は娘のガイア(Gaia Iacucci)もブランドに参加している。ファクトリーブランドゆえにブランディングが課題だったが、パルがハンズオンでアドバイスを行う。

バッグはオールレザーのアイテムを中心にPVC素材を組み合わせたものや、SLG(革小物)も展開する。パルが別注で生産したキャンバス地を使用したトートバッグは好調で、パル クローゼットでは1日に10点以上売れる日もあるという。バッグは自立する形状と曲線使いが特徴だ。自立する気形状は女性の凛とした強さを、また曲線を採用することで女性ならではの柔らかさを表現しているという。

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価格帯は3万円台後半~4万円台半ばと値ごろ感もあり、パルが展開する「ラシット(RUSSET)」や「パピヨネ(PAPILLONNER)」が囲い込めていなかったファッション感度の高い30~40歳代の働く女性を取り込む狙いだ。

今後も出店計画はあるが、具体的な出店地や時期は非公表。当面はポップアップを開催して認知度を高め、大丸東京店の直営店とECに注力していく。初年度の売り上げ目標は3億円。

「ラコステ」の“ワニ”が絶滅危惧種に限定ポロシャツ10型を発売

「ラコステ(LACOSTE)」は、アイコンであるワニのロゴを10種の絶滅危惧種に置き換えた限定ポロシャツ(2万円)を、5月22日の「国際生物多様性の日」に合わせて世界7カ国の9店舗と公式オンラインブティックで順次販売する。東京・銀座店では5月23日から取り扱う。

optimize.webp (2)同ブランドは2018年から国際自然保護連合(IUCN)と3年間のパートナーシップを組んでおり、IUCNが行う絶滅危惧種の保護活動をサポートしている。18年3月には、サポート事業の一環として絶滅危惧種を刺しゅうしたポロシャツをEU圏内とイギリス、公式オンラインブティックで販売し、完売した。

第2弾となる今回のコラボレーションは、認知度が高まったことを背景に世界7カ国に規模を拡大した。7カ国9店舗が各1種類ずつの絶滅危惧種をモチーフにし、それぞれの絶滅危惧種の生息数を合わせた計3520匹と同数の3520枚のポロシャツを販売する。

optimize.webp (1)東京・銀座店では生息数115匹のキタケバナウォンバット、NY・ブロードウエイ店では生息数444頭のタイセイヨウセミクジラ、パリ・シャンゼリゼ店では生息数589匹のスペインオオヤマネコ、ロンドン・コベントガーデン店では生息数150匹のイエメンオオナガコウモリをそれぞれモチーフにした。

限定ポロシャツの利益に加えて、世界9店舗で発売初日に得た利益は全てIUCNに寄付する。また銀座店では、ワニモチーフの内装を絶滅危惧種に変えた限定ブティックをオープンする。発売当日には、ポロシャツ以外のアイテムも含めた購入者全員に絶滅危惧種をプリントしたトートバッグをプレゼントする。

「アーデム × H&M」発売 人気ブランドデザイナーや「グッチ」好き大学生も大満足

H&Mジャパンは11月2日、「アーデム × H&M(ERDEM x H&M)」を発売した。例年の大行列・大混雑を緩和して、ゆっくりと買い物ができるようにと、今回は販売方法を変更。10月12日に始動した「H&Mクラブ(H&M CLUB)」会員かつ応募者の中から抽選で当たった人々を対象に朝9~11時まで先行販売会を実施。これまで先頭集団は徹夜をした若い男性などが多かったが、今回は女性客が多く、特にファッション感度の高い人々が増加。外国人客も目立ったことに加え、子ども連れでも安心して買い物ができていた。一般客は11時15分から購入が開始した。

optimize.webp (4)渋谷店の先行ショッピングでは、赤のビンテージドレスにコンパクトなレザーブルゾンを羽織り、そのセンスの良さでひと際目立っていたのが、EC発の大人気ブランド「エイミーイストワール(EIMY ISTOIRE)」のデザイナーだった。「H&Mはトレンドなどの発信が早いので、情報収集なども兼ねて普段から利用しています。今までのコラボはメンズ向けが多かったのですが、今回は毎回コレクションもチェックしていて、そのロマンチックなテイストで大好きな『アーデム』だったので、『わぁ~い!』と思って応募しました。しばらく続いたノームコアの暗黒時代を抜けた感じもして、とてもうれしいです。ファッションは楽しまないともったいないですよね!今回のコラボ商品は柄も素材もすごく良くて、購入したアニマル柄のファーコートも裏地がジャカードになっていたり、細かいところまでこだわっていてさすがだなと思いました」とコメント。

optimize.webp (3)トレンチコートにチェックのキャスケット姿の近隣在住女性(40代後半)は、「実は『H&M』を利用するのは初めて。ブランドはあまり気にしないのですが、セレクトを回るのも面倒になってきているので、今は伊勢丹新宿店でまとめて買い物を済ますことが多いですね。『アーデム』は以前から気になっていたのですが、まぁまぁいいお値段がするので、試してみるにはいいかなと思って来てみました。コラボ商品を見て、高級感もあるし、刺しゅうも素晴らしくて。総刺しゅうのドレスとアニマル柄のファーコートと、ブラウス、Tシャツ、ブローチなどを購入しても8万円ぐらいでした。『アーデム』だったらドレスだけで20万円ぐらいしますよね。大満足です」とニッコリ。

「グッチ(GUCCI)」の刺しゅうデニムの上に早速パジャマシャツを着用して友人が買い物が終わるのを待っていた男子大学生(19歳)は、「『H&M』はいつもは利用していない。『バルマン』のコラボに並んだけれども買えなくて、『アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)』は後日手に入れました。『グッチ』や『ロエベ(LOEWE)』などが好きで、最近は『アーデム』や『キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)』などロンドンのブランドが気になっていました。理由?いい意味で大きいメゾンでやっていないので、自由な感じなのがいいなって。『アーデム』は値段がまぁまぁするし、初めてのメンズということもあって、これは買いだなと。普段から中性的な格好をしていることもあったので、いいなと思いました。「H&M」とのコラボ商品はビックリするぐらい良くて、即決でパジャマとフリルシャツと靴下とリボンを自分用に、白ピアスをプレゼント用に買いました。お金ですか?いつも親に頭を下げて買ってもらっていて、今回もお金をもらってきました(笑)。経済学部なのですが、将来はアパレルに進み、バイヤーとかになりたいなと思っています」。

友人の男子大学生(19歳)は「『H&M』はたまーに使っています。『アーデム』は知らなかったけれど、友達が当たったので一緒に来てみました。パジャマシャツとパーカを自分用に、スカーフをプレゼント用に買いました。僕もいつも中性的なスタイルをしているので、彼に感化されて『グッチ』などを買っていますけど、自立しているので、バイトや今までの貯金から買っています。将来はエコノミストになって、日本の財政を潤したいですね」。

モードとストリートはほぼ同義語

茅野誉之によるファッションブランド「チノ(CINOH)」は、強い個性が求められる国内デザイナーズブランド市場の中で上質な素材を用いたモード感のある日常着として一つのポジションを確立している。ベーシックアイテムにさり気ないスリットや色使いなどの捻りを利かせたウエアが、感度の高い女性たちに支持されている。ウィメンズブランドとして始まったが、2018年春夏からはメンズをスタートさせ、商品ラインアップを拡大した。

optimize.webp (2)昨年「東京ファッションアワード 2019(TOKYO FASHION AWARD 2019 以下、TFA)」を受賞し、今年3月には19-20年秋冬コレクションで初のファッションショーを東京で開催した。“大人のグランジ”をテーマに、ペイズリーやオンブレチェックなどのグランジ要素を上質な素材使いや仕立てで提案。一見シンプルながらも、ユーティリティーやギミックを加えて強いコレクションを見せた。ショーでは19-20年秋冬から本格始動するシューズと、イタリアのバッグブランド「ザンケッティ(ZANCHETTI)」とのコラボレーション商品も披露。現在は卸売りをベースにし、国内では47アカウントで取り扱いがあるが、今秋には渋谷に初の直営店をオープンさせる予定だ。

また、茅野は自身の「チノ」以外にもデザイン活動の幅を広げており、ジャージー素材に特化したブランド「ジェイシーエム(J.C.M)」のディレクションを担当するほか、18-19年秋冬からはオンワード樫山の婦人服「ICB」で新ラインのデザイナーに就いている。

初のショーを行った感想は?

コレクション自体は海外での展示会のために1月には仕上がっていたので、モノ作りとしてはそれほど大変ではなかったです。TFA受賞に伴うショーだったので、会場は渋谷ヒカリエホールという制約があったのですが、しっかり洋服の細部まで見えるショーにしたいという思いがあり、自然光に近い明るさで見せたいと演出家に相談しました。またシューズが自社でしっかり企画するのは今季が初で、「ザンケッティ」とのコラボレーションバッグの発表もあったのでタイミング的にはぴったりでした。

「ザンケッティ」とのコラボレーションはどう決まった?

optimize.webp (1)実をいうと決まったのは今年の1月のこと。パリでの展示会後に空港のラウンジで「ザンケッティ」のディストリビューターである八木通商の担当者と出会ったことがきっかけでした。そこで話が進み、約1カ月でサンプルを作っていただいたんです(笑)。

ファッションショーでは“グランジ”のテーマにちなんだ音楽にもこだわった。

ニルヴァーナ(Nirvana)の「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」はToeのドラマーの柏倉隆史にオリジナルで作ってもらい、スタジオ収録してもらったんです。「フィナーレに流れた」と皆に勘違いされてしまいましたが、実は最初から最後までずっと同じ曲が流れていたんですよ。ショーに登場する序盤のルックはグランジの要素を強くして、後半にかけてエレガントになっていく仕掛けで、逆に音楽は前半は音楽玄人しか分からないくらい薄い要素で「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」の音を入れてもらい、後半になっていくにつれて分りやすくしてクロスオーバーさせていたんです。

ブランドコンセプトは“東京のストリート”をベースにしているが、それはなぜ?

モードとストリートって、僕の世代からするとほぼ同義語なんですよね。ストリートはカジュアルという意味ではなく、街にいるイケてる人たちのスタイルのこと。特に日本は社交界のパーティー文化はないので、街なかが一番かっこいい人がいるし、いてほしいと思っているんです。

そのイケてる人たちのいるストリートとはどこを指している?

今の表参道周辺は観光客も多いから、何ともいえないところもあるんですけど。ちょっと前までは原宿や渋谷にも生息する人たちの間でその土地らしいスタイルがあって。渋谷でも特に円山町とかクラブがあるエリアの人たちや、東急ハンズがある方にかっこいい人たちが集まっていた。今は全部同じ感じになっちゃってるから、色は弱くなっているとは思うんですけど。その感覚から、ストリートっていうと大通りよりは、裏通りのイメージですね。

前シーズンまでプレ・コレクションとメインを分けていたが、秋冬から一緒にしたのはなぜ?

納期と生産を考えると、プレ・フォールを1月、秋冬コレクションを3月に発表するのは難しかった。今回TFAを受賞したことで、メンズ・ファッション・ウイーク期間中のウィメンズのプレ・フォールの発表時期に合わせることにしました。今後はしばらくプレの時期での発表を継続していきますが、また規模が大きくなってきたら、分けるかもしれません。

2018-19年秋冬から「ICB」の新ラインでデザインを手がけているが、きっかけは?

オンワードの方々が去年の2月の展示会にお越くださって、依頼を受けました。取り組む前は百貨店にあるオーセンティックなブランドのイメージでしたが、過去にはマイケル・コース(Michael Kors)や、「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)、プラバル・グルン(Prabal Gurung)らが手掛けていた歴史があることもあり、デザイナーのクリエイションへの理解も深いブランドということを知りました。それにオンワード側から「自由にデザインしてほしい」と任せていただけたけたこともうれしかったです。

「ICB」の新ラインはどのようなコンセプトでデザインをしている?

最初の18-19年秋冬は過去の資料を見ながら、マイケル・コースが手掛けていた1995年頃の「ICB」の雰囲気を僕なりに再解釈しました。やはりそこがブランドの根っこだと感じたので。過去のルックをそのまま使うというよりは、彼が当時描いたクリエイティブかつシャープで洗練された女性像を現在に表現したらという感じでした。

シーズン毎にライン名を変えているのはなぜ?

ファーストコレクションは、“ICB リディフィニション(ICB REDEFINITION)”と、再構築という意味を加えたんです。この19年春夏の第2弾は担当者から「もうちょっと遊んでいいんですよ」と言ってもらい、音楽の即興とかアドリブを意味するインプロビゼーション(Improvisation)を付けて、“ICB インプロビゼーション” としました。僕は音楽が好きで、ジャズのセッションみたいな感じで、ミックスやっても面白いなと。

他のブランドのデザインを担当するのは難しい?

それほど大変ではないですね。今回は特に「ICB」の担当者が「チノ」のことを好きでいてくださって、とてもやりやすかったです。強いていうのであれば「チノ」では僕が好きなことを勝手にできますが、「ICB」はベースにあるDNAをもとにしながらシーズンの温度差を出し過ぎないようには考えています。あとは、協業先に「安く作ってください」と使用する素材を制限されてしまうと困るんですが、「ICB」は何の制限もなくて自由に使いたい生地を提案できたのもよかったです。特にオンワードの生産基盤は大きいので、良質な素材や仕立てをこのコストで作れることに感動しました。職人が手作業で作ったリバーコートを8万円台で販売できるのはお得感があると思います。

茅野さんの素材へのこだわりは強い。

「チノ」もこの「ICB」での取り組みもそうですが、デザインをするときはハンガーに掛かっている姿さえもすてきに見えるものを作りたいと思ってます。どんな適当なラックに掛かっていたとしても、そこから洋服のたたずまいが感じられるような、だから素材はとても重要な要素になっています。日本のコンテンポラリーゾーンにはいい素材にこだわったモード服が足りていないと感じるんです。ラグジュアリーブランドはいい生地で迫力あるデザインをしているブランドは多いと思うんですけど、日本のブランドはデザインの力が強くて、ありふれた素材でもデザインで昇華するような傾向が長くあったと思います。

素材に重きを置くようになったきっかけは?

僕はバイトしてお金をためて、いい服を買って、ファッションを楽しんでいた世代。だから、チープなものを作ろうと思っていませんでした。長持ちする服というよりは、たくさん着てボロボロくなっても愛着が持てるような長く愛せるものがいいですよね。

「チノ」では今秋店舗を開く予定だが?

渋谷に初の店舗を開く予定です。僕は接客までがブランドビジネスだと思っていて、卸だけでは僕らがお客さまにブランドの世界観を伝えることはできないと感じています。出店は声を掛けていただいたことが大きいですが、ブランドの世界観をしっかり表現できる場所はあった方がいいなって思っていたんです。面白い店になると思うので楽しみにしていてください。